Kensington Expert Mouse が 2016 年版に比べて 2020 年版はシワシワがなくなり眩しくなった話

レビューPC,マウス

[2021.01.30] スリープからの復帰について追記しました。

私は大玉トラックボールマウスとして知られる Kensington の Expert Mouse を数年前から愛用しています。先日、もう一つ新しいものが手元にくる機会があったので触ってみたら、マイナーバージョンアップがあったのか結構変わっていたのでレビューしてみます。

写真奥が旧版の A1612A, 手前が新版の A2040C

Expert Mouse Wireless Trackball K72359

Kensington のトラックボールマウスの一つ Expert Mouse はもう十数年前, 2004 年ごろから販売されていました。2010 年以降、世のほとんどのマウスがワイヤレス化するなか、(まあトラックボールは動かさないし)有線しかなかったのですが、2016 年 2 月に、ワイヤレス版が登場しました。私はもともとトラックボールマウスに興味があり、ワイヤレス版が出たところで「ここだ!」と思って買ったのです。2016 年 10 月のことでした。

Kensington Expert Mouse のページより

私が買って持っていたものは型番が “A1612A" というもので、今回手元に来たのは “A2040C" というものでした。まず最初にそれぞれの相違点について表でまとめます

A1612A(旧版)A2040C(新版)
接続方式2.4 GHz USB
Bluetooth 4.0 LE
2.4GHz USB
Bluetooth 5.0 LE or Bluetooth 3.0
USB レシーバ先が丸い先が平たい(ちょっと短い)
電池取り出し紐テカテカプラスチックザラザラプラスチック
パームレスト革のようなパターンあり革のようなパターンなし
スクロールリングガラガラいうガラガラいわない(ちょっと固い?)
ボール色が濃くなった
センサー光は見えない赤い光が見える
スリープの復帰ボールを動かすボールを動かすだけではダメ

以下では “A1612A" を「旧版」、"A2040C" を「新版」として、それぞれについてレビューしていきます。旧版の方は数年使っているので多少は経年劣化による違いもあるかもしれません。

画像は基本的に左が旧版右が新版です。

接続方式 & USB レシーバ

この製品はワイヤレスマウスでよく見られるような専用レシーバを用いた 2.4 GHz 通信と、スマホなどでも利用できる Bluetooth を用いた通信の 2 系統が利用できます。それぞれ本体背面にある切り替えスイッチで使い分けます。旧版では “4.0 LE" の接続方式しか使えませんが、新版では “5.0 LE" と “3.0" の接続方式を(自動で?)切り替えて使えるようです。

その仕様変更に伴っているのかわかりませんが、レシーバの形が多少変わっていました。

旧版に対して新版のデザインは少し角ばっています。差し込んだときの長さは若干新版の方が短いようです。

電池取り出し紐

細かいことですが、電池の取り出し紐の材質が微妙に変わっていました。

旧版の方がテカテカした紐で、新版の方ではザラザラした紐に変わっています。旧版の方が薄く、油断すると手を切ってしまいそうな材質ですが、新版の方は多少分厚く、柔らかくなっている感じがします。

パームレストの材質

旧版と新版で見た目が変わっています。

旧版はシワが入ったタイプの革っぽい表面ですが、新版ではなめらかなタイプの革っぽい表面に変わっています。どちらも合成皮革の手触りで柔らかさには違いはありません。好みの問題だと思います。シワシワの方が長期間使用時の見た目の違いが現れやすいかもしれませんし、新版の方がテカテカになりやすい気もします。

スクロールリングの具合

この製品では普通のマウスにおけるいわゆる「マウスホイール」が「スクロールリング」としてボールの周囲に実装されています。これをクルクル回すことで画面のスクロールをしたりします。

スクロールリングを回すときの様子を動画に撮ったので、この動画を御覧ください

旧版のスクロールリングを回すと「ガラガラ」という音がするのに比べて、新版の方はそのような音が聞こえないことがわかると思います。若干静かです。これは経年劣化による影響はあるかもしれませんが、このガラガラ音は割と買った直後から鳴っていたと思います。店頭などにおいてある有線時代の Expert Mouse の見本品をさわってみても、同じような音がしていた記憶もあります。

その意味では新版では多少静かになるように改善されたのかもしれません。ただ、少し動きが固く、なめらかでないような気がします。これは遣っていくうちに馴染んでくるものなのか、機械的に引っかかりが生じているのかはよくわかりません。

ボールの色

旧版に比べて、若干新版の方が濃い色になっています。バージョンアップに伴う違いなのか、製品ロットの違いなのかはよくわかりません。性能に違いはなさそうです。私は明るい色の旧版の方が好きです。

どうでもいいけど、ビリヤードのボールが代替品として丁度いいサイズらしいと聞いたことがあります。

センサーが眩しくなった

トラックボールマウスはセンサーのホコリを取り除きたいときぐらいしかボールを外すことはないので、普段つかう分には関係ないことかもしれませんが、新版ではセンサーの光が見えるようになりました。

右側の新版は赤い光が見える
プラスチック反射でうまく撮影できずピンぼけしてますが、光っているのがわかると思います。

結構眩しいです。ちょっと目にくる感じ。普段はボールを載せていればまったく見えないので関係ありませんが、外すとかなり気になります。むしろまったく見えないのもある意味怖いかもしれないので、好みの問題だとは思います。私は眩しくない旧版の方がいいです。

スリープからの復帰

Expert Mouse はワイヤレス製品らしく、しばらく使用していないとスリープ状態となって節電モードに入るように見えます。ちゃんと検証したわけではありませんが、新版の方ではスリープから復帰するのにボタンを押す必要があるように見えます。旧版の方ではボールを少し転がしてやるだけで復帰するようです。感覚的なところですが、新板の方が少し復帰が遅い印象です。

その他の違い

その他に気づいた違いを挙げます。

印字が濃くなった

本体上部のメーカーロゴタイプが少し濃くなっています。ただこれは単に旧版が経年劣化で薄くなっただけかもしれません。裏面の印字も同様に、新版の方がちょっと濃くなって視認性が上がっています。

中国語表記も増えた

パッケージが寂しくなった

旧版と新版の本体を取り出した後のパッケージを並べると旧版のパッケージには青字に白文字で “Kensington smart, safe, simple" という文字が入っているのに対し、新版ではなくなりました。印刷費をケチったのでしょうか。ちょっと寂しい感じになりました。

裏面の表示が一部変更された

パッケージ内容は変わっていないのですが、解説のイラストが差し替えられています。特に旧版の方のパームレストのイラストが、実際の製品の見た目に寄せられたようです。

また Apple の Macintosh シリーズの OS 名称が “Mac OS X" から “macOS" に変わったのに合わせて、対応 OS の表記も変わったようです。

まとめ

以上、Kensington, Expert Mouse Wireless Trackball のバージョン違いによるレビューでした。製品番号には違いがないため、同じものがくると思っていたら結構違っていました。意外とマイナーバージョンアップはされているものなのですね。


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