MOTHER3 で名前を叫ぶとき「〇〇くん」などを特例処理している話

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2020年7月ごろ、とあるゲーム実況を見ていて気づいたことがありました。プレイされていたゲームは「MOTHER3」だったのですが、このゲームは主要キャラクター名が任意に設定できます。このとき見ていた動画は主人公に「リュカくん」みたいな名前を付けていたのですが、ゲーム冒頭で主人公の名前が叫ばれる場面で「リュカくーーーんッ!」というテキストが表示されたのが気になりました。

気づいたことをツイートしたらちょっとバズった

これがデフォルトネーム「リュカ」のままだと「リュカーーーッ!」と表現されます。もしこの処理が単純に「設定名ーーーッ!」というものであれば「リュカくんーーーッ!」となるはずですが、違いました。

どうやら「ん(ン)」の撥音の処理だけ他と違うようです。実際のところ、自然言語の中で「ん」の後に長音を入れることはほとんどないでしょう。例えば「チキンーー」とは言わずに「チキーーン」というと思います。

以下のツイートは、私のツイートを受けて実際のゲームで試して頂いた方のものです。

細かくて誰も気づかないのかもしれませんが、細部にまで気を遣って工夫するということは大事だと思いました。ちなみに「ンンン」に設定すると「ンンンッ!」になりました。長音付を使うかどうかも判定しているようです。

(Nintendo, 2006, MOTHER3 より)

こうやってセリフの一つ一つに細かい配慮がなされているのは非常に MOTHER っぽくて好きですね。

ところでこれを調べていたら知ったのですが、最近 MOTHER の公式テキスト集が出たんですね。


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