北大受験における成績開示結果と現役/浪人の得点比較
私は 2009 年に愛知県立津島高校を卒業し、1 年間宅浪して北海道大学に入学しました。現役と浪人のときそれぞれにおけるセンター試験の成績と北大前期入試の成績について記載します。
現役のときが平成 21 年度入試のもの、浪人のときが平成 22 年度入試のものです。本記事ではまず私の受験状況について概説したあと、センター試験の成績と北大二次試験の成績をお見せします。
村橋の大学受験の状況について概説
私が北海道大学の進学を強く意識したのは高校三年生の夏ごろでした。高校は愛知県立津島高等学校というところで、愛知県のほとんどの高校と同じく「名古屋大学」を目指すのが至高というような思想を持っていました。高校二年生のころまでは私も(よく考えず、なんとなく)名古屋大学を目指そうかと思っていましたが、河合塾の名古屋大学想定模試「名大オープン」を受験した結果、微妙な成績だったため、名大は難しいと判断しました。
結果として
- 総合大学がよい
- 工学部 or 理学部
- 集まる学生のバリエーションが多い方が楽しい
という条件で考えた結果、成績的に難しく地元出身者比率が 7 割近くに上る名大を狙うことはやめ、学部の種類が多くて出身地比率も北海道内が 5 割程度で、多少入試難易度が低い北海道大学を目指すことにしたのでした。
結局現役ではセンター試験の得点は 665 点(必要な科目のみ合計)であり、二次試験で頑張れば狙えますが、さすがに少々厳しい状況でした。そもそも私は(理系のくせに)数学が大変苦手で、それがセンター試験の結果にも如実に現れており、数学 IA に至っては偏差値にして 44.6 と大変ひどい結果でした。この傾向は二次試験においても同様で、英語と理科は十分合格できる点数だったと思いますが、残念ながら数学がひどく足を引っ張り、不合格となりました。
前述のとおり、明らかに数学が弱点であることはわかるので、浪人時は数学の学習を重点的に進めました。物理や化学についてもほどほどに学習し、特に苦手だった有機化学についてはそれなりに気合をいれて覚えなおしました。また英単語は息抜き程度に眺めたりしつつ、たまに思い出したかのように地理の問題集を解いてみたりしました。ただ、国語については受験勉強と呼べるようなことは一切行っていませんでした。国語や英語を多少ないがしろにした結果は浪人時のセンター試験の結果に表れることとなりました。
なお、私は弱点を十分自己分析できていると考えたことと、「予備校に入るには 100 万円近くかかるのか。それなら自分で勉強するので、その分のお金を小遣いとしてほしいぐらいだ」という思考の下、宅浪しています[1] … Continue reading(お金はもらえなかったけど)。
浪人したことによってセンター試験の得点は 710 点(必要な科目のみ合計)となりました。国語や英語の成績は若干下がったものの、十分に北大合格圏内になりました。結果として二次試験もうまくいき、晴れて北大に合格したのでした。
センター試験の成績開示
センター試験の成績は受験申し込み時に成績通知を希望して成績開示手数料を払えば 4 月以降に送られてきます。 私の場合、平成 21 年、22 年ともに 4 月 16 日発行の日付で通知が届きました。
平成 21 年の結果の方が保管状況が悪かったのか若干汚いですが……。
ちなみに現役の平成 21 年では生物も受験していますが、私は生物選択ではないこともあり、受験には使用していません。当時のセンター試験は受験科目が「3 科目まで」か「4 科目以上」かで受験料などが分かれており、数学や理科が入試にいらない文系受験生を除き、ほとんどの人が 4 科目以上で受験していました。私としては「どうせ同じ金額払ってるんだから、いらない科目でも受験しないともったいない」という謎のもったいない精神により、試験日程 2 日目の最初の試験である生物I を受けるために、わざわざ朝早くに起きていったのです[2]余談ですが、生物の成績が思ったより悪くありませんでした。これは平成 21 … Continue reading。
なお「現代社会」も受けていますが、こちらも地理選択だったものの、ひょっとしたら地理で失敗したときのための保険として受けたものです(高校でもそういう指導があった)。
センター試験成績の現役/浪人比較
現役と浪人の結果について比較すると以下のような結果でした。
科目名 | 現役 | H21平均 | 偏差値 | 浪人 | H22平均 | 偏差値 |
---|---|---|---|---|---|---|
現代社会 | 60 | 60.19 | 49.9 | 76 | 58.76 | 61.3 |
地理B | 78 | 64.45 | 58.3 | 87 | 65.11 | 64.6 |
国語 | 161 | 115.46 | 63.2 | 135 | 107.62 | 59.1 |
近代以降の文章 | 92 | - | - | 76 | - | - |
古文 | 32 | - | - | 34 | - | - |
漢文 | 37 | - | - | 25 | - | - |
英語 | 156 | 115.02 | 60.9 | 148 | 118.14 | 57.5 |
リスニング | 36 | 24.03 | 62.4 | 42 | 29.39 | 63.6 |
生物I | 62 | 55.85 | 53.3 | - | 69.70 | - |
数学I・数学A | 52 | 63.96 | 44.6 | 76 | 48.96 | 63.8 |
数学II・数学B | 65 | 50.86 | 57.3 | 100 | 57.12 | 68.5 |
化学I | 78 | 69.54 | 53.8 | 76 | 53.79 | 60.6 |
物理I | 78 | 63.55 | 56.8 | 84 | 54.01 | 63.1 |
この結果についてグラフにまとめると次のようになります。
浪人を経た結果、国語や英語の成績が落ちていることがわかります。しかし相対的に数学や理科では飛躍的に偏差値が上昇しました。特に苦手としていた数学 IA では偏差値が 20 近く上昇するなど劇的な変化がありました。
二次試験(前期)の成績開示
2 次試験の成績は北大の場合は学務部入試課に成績開示請求をすることでもらうことができます。請求期間は限られており、受験票が必要となるため注意が必要です。
なお、以下に示す成績表は受験科目は同様ですが、点数配分が異なることにご注意ください。私は現役(H21)のときには工学部の情報エレクトロニクス系を、浪人(H22)には理学部の物理重点選抜を受験しており、それぞれに傾斜配分がかかっています(問題は同一)。
2009, 2010 年は北大の総合入試制度が始まる直前で、学部別入試しかありませんでした。さらに理系学部の中で理学部以外は英語・数学・理科(2 科目)を 150 満点ずつ合計 450 点なのですが、理学部だけ「数学重点選抜群」「物理重点選抜群」「化学重点選抜群」「生物・地学重点選抜群」の 4 種類に分かれており、選択した選抜群によって得点割合が変わっていたのです。
二次試験(前期)成績の現役/浪人比較
試験成績について表にまとめます。前述のとおり、現役で受けた工学部と理学部(物理重点選抜群)では点数割合が違うので分けて載せます。下記の合格最低点や平均点、合格者数などのデータは北大の過去の資料を Web Archive から探してきて載せています(リンク:平成21年度入試、平成22年度入試)。
科目 | 現役得点 | 満点 | 得点率 |
---|---|---|---|
外国語(英語) | 93.00 | 150 | 62% |
数学 | 40.00 | 150 | 27% |
物理 | 39.75 | 75 | 53% |
化学 | 40.50 | 75 | 54% |
総合点 | 436.83 | 750 | 58% |
順位 | 182 位 |
工学部情報エレクトロニクス系における総合点の平均は 481.56 点で、合格最低点は 446.75 点、合格者数は 151 人でした。すなわち 436 点から 446 点までの高々 10 点の間に 30 人挟まっていることがわかりました。ご覧のとおり、私はとても数学が苦手で(よくこんなに苦手なくせに理論物理系の研究室に入ったなという感じですが)、たったの 27% しか得点していません。1 問まともに解けたかも怪しいです。ほんとにひどい点数だと思う一方、ちょっとでも数学の点数が取れていれば合格できたという意味で、とても悔しかったのを覚えています。
そして次の表が浪人した時、理学部の物理重点選抜における成績です。
科目 | 浪人得点 | 満点 | 得点率 |
---|---|---|---|
外国語(英語) | 57.00 | 100 | 57% |
数学 | 69.07 | 140 | 49% |
物理 | 126.00 | 140 | 90% |
化学 | 47.60 | 70 | 68% |
総合点 | 534.87 | 750 | 71% |
順位 | 12 位 |
理学部の物理重点選抜群における総合点の平均は 511.38 点で、合格最低点は 459.82 点、合格者数は 66 人でした。現役のころから変わらず、数学が弱く半分しか得点できていませんが、物理で 9 割得点しています。ちなみに合格最高点は 620.38 点で 90 点近く差がありました。
おまけ:北大の受験票
北大の受験票を保管していたのでついでに載せておきます。
現役のときの受験票をよく見るとわかりますが、試験場が「第7試験場第12試験室(代々木ゼミナール札幌校)」となっています。当時は「なんでわざわざ北海道にきたのに代ゼミなんていかないといけないんだ!」と妙に憤慨した記憶があります。その結果、ちょっとだけ面白いネタもできたのですが……その話はまたいずれ。
北大に入学した結果……
理学部として入学し、恵迪寮などで生活して 4 年で地球科学科を卒業、大学院では理学院の宇宙理学専攻の修士課程を 2 年で修了しました。その後に入った同専攻の博士後期課程では正規の修業年数である 3 年では終わらず、6 年はおろか 8 年近くいることになり、最終的には北大に学生としてほぼ 14 年間在籍することになりました。以下の記事もご覧ください。
参考資料
- 平成21年度(本試験)平均点等一覧 – 大学入試センター (Web Archive)
- 平成22年度(本試験)平均点等一覧 – 大学入試センター (Web Archive)
- 平成21年度 北海道大学入学者選抜要項(平成20年7月11日公表)- 北海道大学 (Web Archive)
- 第2段階選抜(最終選抜)時における大学入試センター試験及び第2次入学試験の配点(平成21年度入試)(Web Archive)
- 平成21年度入学試験合格者の平均点等一覧 – 北海道大学 (Web Archive)
- 平成22年度一般入試 合格者の平均点等一覧 – 北海道大学 (Web Archive)
脚注
↑1 | そもそも小学生の頃から「学習塾」という存在が嫌いで、なぜ(義務教育のうちは)タダで授業してもらえるのにわざわざ金を払って学習塾に行くのだ、とか、学校の宿題だけでもやる気がないのに塾へいって宿題増やされてどうするんだ、などと言って塾に行くことを拒んだりしたものでした。 |
---|---|
↑2 | 余談ですが、生物の成績が思ったより悪くありませんでした。これは平成 21 年度のセンター生物は例年と比べるとグラフ読み取り系の問題が多く、生物学用語をほとんど覚えていない私でもそれなりに得点できたためです。同じ理系クラスにいた生物選択の(ちょっと成績がよくない)クラスメートよりも得点してしまって文句を言われた思い出があります。逆にこの年は文系受験生はとても苦労したと聞いています。 |
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