【動画あり】北海道大学構内で鹿を発見したけれど、実は珍しくないらしいという話

北海道大学YouTube,動物,鹿

2020 年夏、6 月ごろから北大構内で鹿を見かけたという旨のツイートをよく見かけるようになりました。そんなころ、2020 年 9 月 13 日の深夜に北大の総合博物館前を歩いていたら鹿がいるのを見かけたので動画に撮ってやりました。

北大構内を歩く鹿を撮影した動画

鹿は総合博物館の前で見つけ、メインストリートを渡った後、大きく回って弓道場の方へ逃げていきました。下の地図は動画の撮影ポイントと、鹿の移動を観測した経路を赤矢印で示しています。

鹿の移動ルート(点線は観測できていないが、移動したと思われる先)

夜 11 時ごろに飲みにいった帰り際に見かけました。途中で自転車が通り過ぎていますが、鹿には気づいていない様子でした。下の画像は動画からのスクリーンショットです。

動画のスクリーンショット

動画からもわかるように、この鹿は角がありません。体もそれほど大きくなく、おそらくメスだと思われます。

北大でも流石に鹿は珍しい

北大構内には広い農場や原生林があって、そこにキツネやらリスやらいるので「鹿や熊ぐらいいるだろ」と思われている方もいるかもしれませんが、鹿ぐらいのサイズの動物はかなり珍しいと思います。(さすがに熊は聞いたことがない)

北大の札幌キャンパスは市街地の中心部にあり、とてもじゃありませんが鹿が山から滅多に降りてこられるような環境ではありません。次の画像は国土地理院が撮影した 1999 年の航空写真を加工したものです。

地図・空中写真閲覧サービス(国土地理院ウェブサイト)の画像を加工して作成

札幌駅のすぐ近くにあるのが北大札幌キャンパスです。支笏洞爺国立公園に繋がっている円山公園や大倉山には鹿やら熊やらが出たりしますが、そこから北大までは短くとも 2.5 km あります。その間は人口 200 万人を誇る札幌市、中央区の市街地が広がっており、エゾシカのような巨大な動物が北大構内までやってくることはかなり難しいのではないでしょうか。

鹿はどうやって大学まで通うのか

上述の通り、市街地を通らないとすると、鹿はどうやって北大までやってくるのでしょうか。これは私の想像ですが、川沿いの緑地を通ってくるのではないかと思っています。次の地図はその想像ルートです。

新川の緑地沿いにやってくるのではないだろうか

北大の近くまでは新川通りが伸びており、新川沿いの緑地が石狩湾の海の方まで続いています。結構広い緑地なので鹿ぐらいなら人にあまり気づかれずに伝ってくることができそうです。さらに山の方からは地図で示したように発寒琴似川沿い(「中の川」経由)や星置川沿いにも緑地があります。

この辺りの川沿いであれば自然な形で北大構内まで近づけそうな気がします。遠回りではありますが、鹿が迷い込むには十分現実的な距離だと思います。

実はそれなりに鹿は大学へ来ているらしい

今回撮った動画は Twitter にもアップロードしたのですが、そのツイートを見かけた北海道大学新聞さんに取材され記事にしていただきました。

2020 年 9 月 13 日の記事

この取材を受けたときにパーソナルコミュニケーション(個人レベルの話)として聞いたのですが、北大構内に鹿が来ているという痕跡は毎年のように見られていると、記事中にも紹介されている文学研究院の立澤助教はおっしゃっていたそうです。

また個人的に Facebook に投稿したら「農学院の教員が農学部裏の温室で出会ったことがあると言っていた」という報告をもらったりしたので、結構いるのかもしれません。

鹿と言えば……

2020 年 5 月にシカとぶつかって車が廃車になりました。「札幌市でエゾシカを轢いてフォレスターが廃車になった話」をご覧ください。

北大構内の動物と言えば……

2020 年の夏頃には猫の親子がいるのを動画に撮ったりしました。「北大構内の猫はどこにいる?」を御覧ください。