ウポポイフォトコンテストで準グランプリをとった話
2021 年 3 月、民族共生象徴空間「ウポポイ」で行われたフォトコンテストで準グランプリを受賞しました。その記録です。
ウポポイフォトコンテスト2020
「ウポポイ」と名付けられた民族共生象徴空間は、元々は白老町のポロト湖畔にあったアイヌ民族博物館、ポロトコタンの後にできた施設です。アイヌをテーマとした国立博物館である「国立アイヌ民族博物館」などの施設があります。当初 2020 年 4 月 24 日の開業予定でしたが、新型コロナウイルスの影響のため延期され、2020 年 7 月 12 日にオープンしました。
そんなウポポイの開業を記念して行われたのが「ウポポイフォトコンテスト 2020」です。私がウポポイを訪れた 11 月にたまたま会場で募集チラシを見かけたので応募したのでした。
準グランプリ「傍らのイナウ」
827 点の応募作品の中から準グランプリに選んでいただきました(準グランプリは 2 点)。
作品には「チセの中、イナウの傍らでアペを囲みながらあたたまる様子をイメージ。」とコメントをつけました。
授賞式はオンラインで行われ、ウポポイPRアンバサダーである俳優の宇梶剛士さんから表彰していただきました。また以下のような講評のコメントもいただきました。
祭具のイナウがクローズアップされています。イナウの房がシャープに捉えられたのに比べ、囲炉裏の炭火の赤さがアウトフォーカスで柔らかく浮かび上がり、緊張感と安心感が混じります。人物は写っていませんが、人のぬくもりを感じるような暖かなチセの様子が浮かぶようです。
ウポポイフォトコンテスト2020 授賞式 講評コメントより
このような利用者の存在が自然であるような施設のフォトコンテストにおいて、人物が写っていない写真は難しいのではないかと思っていたのですが、評価してもらえて嬉しかったです。
入賞賞品
準グランプリということで、色々と賞品をもらいました。さすがに国家プロジェクトのオープン記念イベントだけあって、準グランプリでも豪華です。トロフィーなんて初めてもらいました。
さらに旅行券 5 万円はかなりうれしいです。なかなか新型コロナウイルスの状況がよくならず、使い所はまだ難しい状態ですが、期限は 10 年あるので忘れずに活用したいところです。
また、受賞作品は 2021 年 3 月 27 日発行の北海道新聞朝刊にも掲載されたので、掲載新聞も 1 部いただきました。
写真のコメントの意味
受賞したことを父親に話した時、「コメントの意味がよくわからなかった」という感想を伝えられました。確かにまったくその通りだと思います。
今回の応募にあたり、アイヌ語を使ったコメントをつけることはかなり意識しました。ウポポイでは第一言語を「アイヌ語」にしているということからも、重要だと考えたからです。
国立アイヌ民族博物館は、アイヌ語で「アヌココㇿ アイヌ イコロマケンル」(私たちが共有するアイヌの宝物が入った建物)です。この博物館は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、国内外にアイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を促進するとともに、新しいアイヌ文化の創造及び発展に寄与するために設立されました。博物館も含むウポポイ(民族共生象徴空間)では、アイヌ語が第一言語となります。
Q1. 国立アイヌ民族博物館とはどんな博物館ですか? – お問い合わせ・よくある質問
コメントは「チセの中、イナウの傍らでアペを囲みながらあたたまる様子をイメージ。」というものでした。「チセ」「イナウ」「アぺ」はアイヌ語です。
- チセ:家、家屋のこと。
- イナウ:祭具の一つ。神道における御幣のような形状で、神様(カムイ)へのお供物とされる。
- アペ:火のこと。家の囲炉裏(アペオイ)には火の神(アペカムイ、アペフチカムイ)が宿っているとされる。
上記を踏まえて、コメントを日本語で書き直せば「家の中、祭具の傍らで火の神様がいる囲炉裏を囲みながらあたたまる様子をイメージ。」ということです。家で家族が囲炉裏を囲み、火の神様の傍らに、団欒の傍らにイナウがあるということをイメージしたタイトルが「傍らのイナウ」でした。
写真といえば
2021 年 10 月には北大生協の教職員委員会主催のフォトコンテストで特選を受賞しました。
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